全庁的に「子どもの貧困対策」に取り組む [学習会]

11月18日(水)

足立区は「子供の貧困対策元年」

貧困は、親・子・孫と世代が変わっても、その状態から脱することができない「負の連鎖」が深い問題となっている。足立区では、担当課だけでなく全庁的な取り組みをスタートさせています。

昨日、中野サンプラザで行われた「東京自治研究センター」の月例フォーラムは、「子供と若者を支える地域社会」と題し、足立区の〈子供の貧困対策担当部長〉秋生氏をお招きし,全庁を挙げての取り組みを伺い、刺激を受けました。足立区は2015年を「子供の貧困対策元年」と位置付け、「貧困の連鎖」の解消と防止に取り組んでいます。

10月5日には子供の貧困対策に係る5か年の実施計画(81事業、予算約418億円)を発表しています。

秋生部長は言います。「貧困という言葉は(内容的に)厳しい。貧困と貧乏は違う。単に経済的に苦しいのは貧乏だが、貧困は見た目からではわからないぎりぎりを生きている部分もある。」

連鎖というのは、自分が育ってきた中で欠けていた部分を、そのままつづけること。フォローしないと、自分の経験と同じ子育てをするしかない。

〇すべての子どもが家庭環境や経済状況に左右されることなく、自分の能力・可能性をのばし、夢に調査園できるように基礎的・基本的な学力の定着に向けた取り組みを進めるとともに、地域文化に親しむ体験活動や異世代交流を通して学びに意欲向上を目指す。〇すべての子どもが安心して教育を受けられるよう相談体制の充実や関係機関との連携で支援を強化し就学援助等、奨学金による高校進学支援なども整える。●保護者が不在の家庭の子度が放課後安心して過ごせるよう場所を確保し、多様な子供の居場所づくりを推進する。〇社会人、職業人への円滑な移行のために高校のキャリア教育を促進させる、また、高校の中途退学を防止するために情報交換等を行い、中途退学者が無業者やフリーターなどにならず、自立した生活を送れる、学びなおしや就労支援を行う。など様々な柱立てを用意している。

上記のような柱はほかにもたくさんあって、全庁の部局や課を横串で刺してつなげる。まさに妊産婦支援から高校卒業まで途切れの無い支援で、ささえる。

見放さない

たとえばひとり親が働きながら子どもを育てるのは大変。世間には(自己責任論)が多く、(勝手にそうなった)という見方もあり、親はなかなか相談しにくい。子どもや親が何でも気軽に話せる場所があれば、福祉担当にまでつながる。実際はネットを見る時間、情報をたぐり寄せる時間もなく、情報にアクセスすることができない世帯が多い。

母親のひとり親世帯はより顕著だ。1日に3つの仕事をこなして何とか食べられる収入を得る母親もいる。子どもとの時間なんて多分ほとんどないでしょう。

足立区は、東京23区でも貧困世帯に多さでは1,2を争う。住民に最も身近な地方自治体として、子どもの貧困の「予防する、連鎖を断つ」に力を入れる。

そのためには早期の対策の方が有効だ。そしてよりハイリスクのところから取り組む。学校を子どもの貧困対策のプラットホームとして、貧困に陥るリスクの高い家庭への重点的支援をしていく。

孤立しているという問題

貧困は、経済的な問題だけじゃなく、「孤立している」という問題もある。周りに誰もいない、というのも貧困の連鎖から抜けられない要素のひとつ。孤独感と児童虐待の関係もある。

女性区長の決断

足立区は女性の区長だ。「私は子育て支援はやらない。子ども支援をやる」という言葉に、世の中の財産である子どものためにダイレクトに響く無駄のない支援を推進していこうという気持ちがあふれる。

よく自治体は、まず計画を立てて、実施に向けて検討して・・などという。だけど、足立区の場合、計画と実施は同時進行だ。そしてダメだったら計画年の途中でもやめる、のだという。生活や地域と密着している女性ならではの「やる気」の女性区長の本懐を見た。

久しぶりに、元気をもらった学習会となった。


nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。