教科書の修正要望ー介護6団体 [介護]

7月19日(日)

「介護は低賃金重労働」

 全国老人福祉協議会や全国老人保健施設協会などの看護関連6団体は、中学生、高校生の教科書を出版する2社に教科書の表現の修正を求める要望書を提出しました。介護について「重労働で低賃金」としている記事、写真の修正を求めています。

要望を出した6団体は、全国老人施設や全老健、日本慢性期医療協会、日本介護福祉会、日本認知症グループホーム協会、全国社会福祉法人経営者協議会。表現が不適切であると。

修正が求められている出版社は、教育出版の「公民 ともに生きる」と、高校生向けの教科書を作成した実教出版の「最新現代社会」。

「現代社会」の教科書では、介護する男性職員の写真が載り、「特別養護老人ホームで働く若者。介護現場は重労働で低賃金」との説明がついている。

修正すればいいのか

しかし、出版社が修正すればいいのか。現状を伝えるのも教科書の役目だ。きれいごとだけ載せても真実ではない。実際、低賃金で定職率が低いこと、および非正規職員の率が高いのは、知れ渡っていることではないですか。

業界の動きは、益々の「人手不足への危機感」からの緊急要請なのでしょう。

6団体は、経営する方の団体。こういうのが教科書に載ると、ますます嫌われ、従業員が集まらなくなるという危惧はわかります。業界の悩みは深刻でしょう。しかし、隠したところで好転するわけではない。社会の問題として教科書は取り上げているのだから、大きく社会の問題として解決を図っていかなければならないと思います。

ある論説では、「業界の実態を伝える教科書の記述を修正させる」というものは、ブラック企業のブラックの部分を隠す業界体質から抜けきっていない、とも言いきっている。

低賃金で、重労働、非正規職員がほとんどで、定職率が低い、3拍子も4拍子もダーティなイメージが重なっているのは困る、というのは、重労働の職員を雇う側の言い分。

実際、雇う側は十分経営できるからやっていくわけで、ブラックな部分を受け持つ現場従業員の境遇の改善を急がなければならない。

この問題は、もっと論議が広がっていいと思います。要望に従って〝教科書を修正して終わり”ということではない。


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