新幹線〝焼身自殺” [高齢者政策]
7月2日(木)
酷い迷惑行為
一昨日の新幹線・焼身自殺事件。800人以上が迷惑をこうむり、26人もの人が一酸化炭素中毒などで治療を受け、おひとりの方が巻き添えで死亡した、という。そのほかにも影響は計り知れない。
ひとりの≪世間に対する仕返し≫が、起こした事件としてはあまりにも酷い。
年金12万円の考え方
容疑者は、「年金が2か月に24万円しかもらえない。ずっと働いてきたのに、これでは暮らせない」と常々愚痴をこぼしていたという。12万円の考え方ですが、預貯金があって健康な人なら何とか暮らせる金額だという人は多い。
それもそうだ。国民年金・基礎年金は2か月で11万円しかもらえない。この容疑者は民間に勤めた時期もあって基礎年金よりは多い。1か月5万4544円の基礎年金は厳しいが、そういう人はたくさんいる。
1か月12万円でもやっていくしかない。この人は借家だったから家賃も払わなければならなかった。住民税や介護保険料などの負担もあるが、不安や不満を大きくしているのはそれだけではない。一人暮らしであるとか、健康に不安があるとか、たくわえがないとか、他の要因も大きく関係しているような気がしてならない。
ここに現状の高齢化社会の問題が見え隠れしている。持ち家があって、近くに身内がいて、わずかなれどいざという時に使える貯金があり、病気にも見舞われずにいられれば、何とか暮らしていけるだろう。だけど、このうちの一つでも欠ければ、生活のバランスが崩れ、今日明日の暮らしに困る。
もう、明日の希望も見つからない暮らしになって、ただ死ぬのを待つより、(社会への恨みをはら)してから死んでやると短絡的になってしまう。
巻き添えになった人はたまらない。心からお悔やみと、お見舞いを申し上げます。
しかし、精神的に満たされない人はこれからもっともっと増えていくだろうな、と暗澹たる思いになった。
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