保育と介護の資格を統一? [国政]

4月29日(水)

保育・介護・看護の資格を統一

これも「地方創生」政策なんだそうだ。厚生労働省は、深刻な保育、介護の人手不足に対処するため、介護施設や保育施設を1つにまとめて運営できるように規制を緩和したり、介護福祉士や准看護士が保育もできるように資格を統一することを検討するといっています。

それは、保育士が注射できたり、介護士がピアノ弾いたりすること?

ひとりの人が何でもできるようにする、つまり規制緩和は、人手不足を解消できたり、人件費の圧縮にもなる。施設の管理運営上、費用を抑え、慢性的な人手不足の切り札! これからの地方運営はこれでなきゃ、と政府、厚労省はいうんでしょうが、やっぱりおかしい。

「宅幼老所」

「宅幼老所」(地域共生型サービス)は、平成25年度から厚生労働省によって推進された施策で、全国に広がっているのだという。知りませんでした。その言葉にもこれまで反応しませんでした。さらには「広がっている」とは・・。

〝いいこと”をあげれば、高齢者が子供と接することで張り合いや活気が生まれ、子どもは高齢者を気遣うやさしさを身に付けることができ、広い社会性を育むことができる、という最大限の効果をうったえている。

〝悪いこと”といってはなんですが、デメリットはないの? 感染症や安全面での課題もあるでしょう。どっちつかずの処し方になってしまうのではないでしょうか。

 既に統合運営は行われている。国は、必ずモデルケースを作りながら進めるから。こういった先行例を作りながら、省令による運用改善や法律改正、規制緩和を伴い、推進されていくものと思われます。

問題は資格の統一

 問題は資格の統一です。不安材料がいっぱいです。厚労省の言う「職員が少なくとも、お互いにカバーすることによって福祉施設の運営が可能になる」との利点は、(人手不足)にしか対応していないところも生み出す。実際作業する側にとっても、世話をされる側にもなっていない。

全く違う目的を一緒にされてしまうこと。ひとくくりに〝お世話をする仕事”だから一緒で大丈夫でしょ、ということでしょうか。

何のために、専門スキルを身に付けたのか。それぞれ、違った対応の仕方があり、きめ細かい気遣いが必要だからではないのか。

統一となると、ひとりの人が相当幅広いスキル 、活動分野を担わなければならない。体力や気力にも限界がありましょう。そうなることにより、それそれの仕事、作業が荒っぽく、ザツになることは想像に難くない。

人手不足になるのは、その現場が厳しいからであり、それに見合った報酬がないことであり、自分の仕事に誇りを持てる環境が約束されていないから、なのです。そこを直視することなく、単なる合理性で乗り切らせようとする国、厚労省、さらには、次々に新たな〈切り札〉を考えつく内閣府に、ちょっと待ってください、と言いたい。


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