水道料金の逓増制 [執行]

3月10日(火)

水道料金の逓増制

近年の水道事業を取り巻く環境は経済・社会情勢の中でめまぐるしく変化しています。まず、家庭や事業者への節水意識の啓発、節水器具の普及、長引く景気低迷などがあります。これにより、料金収入は年々減少しています。水道事業運営上は、痛しかゆしのところです。

また、事業インフラの観点から言えば、施設、管路を中心に経年劣化が進行しており、これから施設の大量更新時代を迎え、多額の費用が必要とされます。

「逓増制」料金は、高度成長期に、水需要が急激に増加する中、需要増の要因の一つであった大口利用者(企業)を抑制する一方、インフラ整備の一端を担ってもらうという(その反対に家庭用の生活用水を低廉な価格で提供する)目的のために「逓増制」が全国的に導入されたものです。

自治体における産業構成と関係しますが、工業地帯では、2倍から4倍も逓増率に差が出ていました。北九州市などのように、はじめ、1.9倍だった価格差が、1㎥あたり、78円から335円と4.3倍まで格差が広がった自治体もあります。

しかし、高度成長時代と違い、今日では経済低迷など社会、経済の影響、それに環境意識の高まりから、これらの考え方も通用しなくなっているのが現実です。

現在、全国どこでも水道水がふんだんに使え、成熟時代といえます。インフラ整備の一翼を担った企業の役割も終わった感があります。

逓増制の負担感

大口利用事業者の中には、格差のある料金体系に負担感があり、自前の井戸を掘ったり、中水と呼ばれる雨水(再使用水も)の利用など環境面に配慮したシステムを取りいれるところも出てきました。

企業からすれば、当たり前の構築ともいえます。

しかし、自治体にとっては大口の利用者が自己の井戸を掘ってまかなってしまう、つまり給水量が減ることは、かなりの打撃。それでなくともインフラ更新にこれからお金がかかる時期を迎えるのですから。

そこで、料金体系に大きな差を設けている自治体は、抜本的な料金体系の見直し、「逓増制」の見直しに着手しています。

「逓増制」それに近い料金体系をもっている自治体は全国に多いです。

宮代町では

宮代町は工業地帯でもないし、工業団地もありませんから、水道料金にそれほどの差はありません。逓増制といっても「なんですか、それ?」

昨日の本会議で、質問したら、料金は20㎜口径で、100㎥当たり22650円、100㎥当たり35450円、とのこと。格差は1.5倍ほどでした。

これくらいなら問題はないと思いますが、それでも大口のところで井戸をもっているところもありますし、日本工業大学などは10年くらい前から環境教育の観点もあるでしょうが、中水を利用して水洗トイレなどに導入しています。

使った水を流すため下水道を使うことには違いないから、水道の給水量が減ってもそれほど収入に差が出ないといっていますが、、、。

地方の事業者は景気が低迷したまま、あまり料金に差が出ますと、自前の井戸など掘ったり、中水を利用したりもあるのでは、と質問しましたら、地盤の沈下の恐れがあるので、宮代町の場合、井戸を掘る許可は出ないということでした。

これらのことを考えるに、これから地方自治体はインフラの更新、事業者の負担感、など課題を抱えることになりそうです。

一般家庭をみると、これも、夏場の節水など、節水意識は(水が出なくなったらどうしよう)という生活感から、しっかりと根付いているのです。これはもちろん必要なことですが。


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