シェアハウスのひとり親 [男女共同参画]

1月7日(水)

「事実婚」か否か

今朝の東京新聞1面で報じている、児童扶養手当支給停止問題。

東京国立市のシェアハウスで暮らすひとり親・シングルマザーが、同じ家に住む独身男性と「事実婚」とみなされ、児童扶養手当が支給停止になった。これに、国立市、助言したという東京都、厚生労働大臣が微妙に違う見解を述べ、厚労省は、生活実態を反映して適正な支給を判断するよう徹底させる方針を決めた。

シェアハウスに住む女性は、昨年11月、国立市から支給停止を通知されたという。市は女性が男性と事実婚の状態にないことは把握していたが、東京都に助言を求めた結果「同一住所に親族以外の異性がいることによって支給要件を満たさなくなることが判明した」ことが理由で打ち切った。

この問題を昨年末、東京新聞が報じたことで、塩崎厚労大臣は昨日6日の会見で「今回の場合、生活実態が本当に事実婚なのか精査しなくてはいけない」と指摘し「適正な手続きを市町村がやっていくことが大事で対応を求めていきたい」としている。

同じく昨日、東京都の枡添都要一知事も「社会常識から見ておかしければみなおす」と述べた、と新聞は報道している。

当たり前と言えばあたりまえで、判断に迷った国立市が東京都の助言を求めたこと、助言が判断の大きな部分を占めたことは問題だと思います。

社会常識から見てどうかは、より身近な位置にあるそれぞれの自治体しかわからない。それを、上部団体に投げたことはおかしい。

でも、市町村と言うのは、往々にして「この手」を使いたがる。「県」に聞いた、「都」に聞いたというと、さも権威のある、より正確な知見のように響くから不思議だが、とんでもない、一番わかるのは現場である各自治体なのです。

厚労省は、今週中にも「都」を通じて国立市に一連の経緯を聞いたうえで、「全国の自治体に文書で適正な支給をするよう求めたい」としています。

問題の背景には、1980年に厚生省(この頃は厚生省と労働省に分かれていた)が出した課長通知の存在が指摘されている。(30年、40年前の課長通知などの縛り〈シバリ〉がいまだに効いている、と言うことが官庁ではよくある)

 この通知では、「事実婚」と判断する基準に原則として当事者同士の「同居」をあげ、同時に社会通念上夫婦としての共同生活がある場合「それ以外の要素については一切考慮することなく、事実婚として取り扱う」と規定している。

個性の時代

支給を考えるにあたって、女性と子供が男性に養われているか、生活費の上で助成されているのか、という視点が必要であろうと思われますが、シェアハウスの中の自律した一つの家庭である場合、助成を受けているかどうかはさほど重要なことではない。場所をシェアするのと、生活もシェアするのでも、考え方は違う。

女性が子供と生きていくのは大変な時代だと思う。それは今も昔も変わらない。仕事にしても様々な差別を受けるでしょう。しかし、だからと言って、精神的なパートナーがいること(金銭的なサポートを含む)を「事実婚」状態と言うのも違う。

生き方の個性があっていい。社会通念上のパートナーかどうか・・。この個性の時代に、身近な判断力が不可欠だといえる。


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