原発稼働しないから値上げ? [原発]

8月12日(火)

燃料の高騰で輸入赤字

2014年上半期だけで、赤字が7兆円を越したという。1年間では15兆円という額になる。火力発電所の燃料の天然ガスの輸入が多くを占めている。確かに量は増えている。その原因が、原発が稼働しないから、火力発電に頼らなければならない。と、いう構図になる。だから、何としても早く原発の再稼働を、と政府は言いたいところか。

しかし、おなじ自民党の中で、反原発を一貫して主張している河野太郎氏は、自身のブログの中で、以下のことを言い、実は数字のマジック みたいなものだと。そのまま引用して紹介したい。


......ごまめの歯ぎしり  メールマガジン版......
       衆議院議員 河野太郎の国会日記
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財務省が7月24日に発表した2014年上半期の貿易収支は、
7兆5983億円の赤字で、半期では過去最大の赤字となりました。

このままのペースでいくと、年間を通して15兆円の貿易赤字と
なります。

日経新聞は「燃料輸入の増加が主因」と分析しています。

産経新聞も「原発の稼働停止に伴う、火力発電用燃料の輸入額が
高水準となるなど輸入が過去最大に」と解説しています。

天然ガスの輸入量が増えて貿易赤字が増えているというように聞
こえます。
 
この一年間の天然ガスの輸入量を四半期ごとにみてみましょう。

2013 Jan.-Mar 23,494千トン
2013 Apr.-Jun 19,913 
2013 Jul.-Sep 21,244 
2013 Oct.-Dec 22,840 
2014 Jan.-Mar 23,734
2014 Apr.-Jun  20,528

2013年の第2四半期と比べ、2014年の第2四半期の天然ガス
の輸入量は3%の増加です。

ところが同じ時期の天然ガスの輸入金額をみてみるとこうなります。

2013 Jan.-Mar 1,829,974,606千円
2013 Apr.-Jun 1,671,296,539
2013 Jul.-Sep 1,705,469,789
2013 Oct.-Dec 1,852,210,267
2014 Jan.-Mar 2,113,850,763
2014 Apr.-Jun 1,792,803,219

2013年の第2四半期と比べ、2014年の第2四半期の天然ガス
の輸入金額は7%も増加しています。

福島第一原発の事故が起きた2011年と比較してみましょう。

年度 輸入量  輸入金額
2011 83,183千トン 5,404,383,719 千円
2012 86,865  6,214,120,485
2013 87,731  7,342,827,358

2013年の輸入量は2011年と比べて5%の増加です。しかし、
輸入金額は36%も伸びています。
 
2011年3月、天然ガスの価格は$12.18でした。当時の為替
レートは1ドルが81円79銭。円建ての天然ガスの価格は996円
25銭。

2014年5月の天然ガス価格は$17.75、為替レートは101円
79銭。円建ての天然ガス価格は1806円77銭。円建て価格は81%
の上昇です。

2014年上期の輸入量、金額を単純に2倍して比較してみると輸入量
は2011年と比較して6%の増加、輸入金額は45%増えることに
なります。

新聞報道を見ていると、あたかも原発が停止したので天然ガスの輸入量
が増えて、貿易赤字が膨らんだかのように思えます。しかし、事実は、
天然ガス価格の上昇とそれに輪をかけた円安のおかげで円建てのガス
価格が上昇し、貿易赤字が増えたのです。

どの新聞を読んでも天然ガスの輸入量やその価格がどう推移したのか、
まったくわかりません。

政府が発表していることだけを右から左に流しているだけではマスコ
ミの役割を果たしていると言えないのではないでしょうか。

全文引用


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