図書館から始まるまちづくりー武雄市 [指定管理者制度]
6月21日(土)
武雄発・CCCの挑戦
20日(金)午後2:00~3:45。茅場町の日経カンファレンスルームで開かれた「日経グローカル6月セミナー」「佐賀県武雄市の図書館」を研修。
前日に友人から「明日、時間があるなら行ってみたら」と連絡をいただいたものです。前日連絡では(時間がある)わけない。「ぜひ行きたい内容だけど、剪定の職人さんが来るからごめん、ムリ」と言っておいた。しかし、午前中に「今日は枝切りにいけません」とタイミングよく職人さんから作業の連絡。「行こう!」とばかりに電車に飛び乗った。
あたらしい図書館構想
ユニークな武雄市長・樋渡氏が、テレビで見た「カンブリア宮殿」。ひらめきで「これだ!」と決めた新しい指定管理者は、ツタヤグループの企画サポート カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)。
今、全国的に有名になった佐賀県武雄市の図書館構想は、樋渡市長というカリスマと、CCCの図書館カンパニー長というカリスマが出会ったことにより、実を結んだ。
まず、講師のCCC企画グループ図書館カンパニー長の高橋さん、「みなさんの中で武雄市の図書館に来たことある人?」と聞く。80人くらい集まった日経グローカルの購読者(議員が多い)のうち、20人近くが、手を挙げた。
(すごい、みんな佐賀まで行っている!)
話は興味深い内容だった!久しぶりに「おもしろい!」と思い、1時間45分軽い興奮をもって過ごした。
指定管理まで超特急
2011年、12月22日、テレビ番組「カンブリア宮殿」を見た武雄市長の樋渡氏、翌年1月26日上京。市民の生活を豊かにする(新)図書館構想を持ち、これを実現できる受け手を探していた武雄市は、CCCにまちづくりの基本構想を話した。
2012年6月議会で、(もう受け手を決めていたにもかかわらず)「図書館を民間に指定管理できる条例」に改正。賛成17反対8で可決。
2012年7月 臨時議会でCCCに指定管理運営委託する議案提出。16:8で可決。
隠し玉はスタバ!!
市民に対しては、まず最初に、キャッチフレーズが飛び出した。≪カフェはスタバに決まりましたー❢≫ えっ、何のこと?市民はびっくりしたでしょう。
市民図書館が大きくリニューアルし、スペースの1割をあの都会のカフェ≪スタバ≫のフロアが占める。図書館を単に本が借りられる公共施設からグレイドアップさせ、滞留時間をゆったりと、贅沢に時間が流れる場所にしたのだ。
しかも、まだ、おまけがつく。この図書館、雑誌の販売をするのです。さすが、ツタヤグループ。この図書館はたくさんの雑誌を蔵書として用意し提供するのですが、もっと読みたい、もっと自分を磨きたい人のために全スペースの、これも1割を割き、販売スペースにするという新図書館構想をぶち上げた。
日本図書館協会が、異例の構想に「待った」をかけたが、説明し、強行。市民の期待と夢が膨らんでいく。
オープンは翌年4月
超特急は続く。9月定例議会でオープンの時期と図書館の内容、改装費用などが計上され、賛成19反対4で可決。
CCCグループで、新規事業担当という立場で参加したカリスマカンパニー長・高橋さんたち5人は東京からやってきて、住み込みで翌年オープンに向けて作業をスタートした。
まさに図書館がユニバーサルサービスになっている
図書館には使わない蔵書の倉庫など使わないスペースが、実に多いのだという。そこを改装し、蔵書数は10万冊から20万冊になった。貸出本数は、指定管理前の3倍に上昇した。
スタバの売り上げは有楽町店を抜く
こんな田舎(失礼)にオープンしたスタバ「武雄図書館店」は、売り上げで東京有楽町店を抜いた。
スタバだもん、客単価は安くない。カフェラテのショートでも380円。大丈夫?
プチリッチを目指すヤング女性層、シルバー層は相当いる。しかも、ここの客は軽食付きで長く滞留する。客単価850円にもなるというのだ。
かっこよく暮らしたい
日ごろ、節約して暮らしていても、週一で贅沢時間などにはお金を惜しまない。誰だって上昇志向をもっている。
自分に投資、自分にご褒美、そういう市民の生活を豊かにする構想は、新図書館構想で、一つ階段を上った。ツタヤCCCは、次を目指して、全国にさぽーとの手を広げている。
でも、高橋・図書館カンパニー長の話を聞いていて、みんな思ったはずだ。構想や政策を実現させるのは、マンパワーしかない。カリスマは50人力の仕事をする。
※カリスマ市長の樋渡さんと、カリスマ図書館カンパニー長の高橋さん、あまり接点を持たない、のだという。わかる。身内意識なんて生まれたらおしまいだ。
※高橋さん、「職員は、どこも相当優秀です。すごい能力だ。でも、限られた中で思考している。」・・・・
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