認知症の高齢者、18年ぶり再会 [介護]

6月9日(月)

認知症の男性18年ぶりに身元わかる

 狭山市の特養老人ホームに入所していた男性が、18年ぶりに身元が分かって家族と再会したというニュース。東京渋谷区のNさん。18年前の写真をもって本人に会いに行った家族と近所の人が面会し、一目で確認できたということです。戸籍謄本から現在82歳ということになりました。

 Nさんは18年前にすでに認知症を患っていたとみられます。1996年10月、散歩に行くといって家を出てから行方不明になりました。行方不明の届け出を出しましたが、それからまったく手がかりがなく家族は途方に暮れたといいます。

 一方、Nさん本人は、電車に乗ってはるばる埼玉県の狭山市についたらしい。ホームに引き取られたとき「電車に乗ってきた」といったが、そのほかのことは(認知症ゆえ)手がかりがなかった。この直後、県、市は県内、近隣の福祉事務所、自治体に照会したが該当者はなかった。この後翌年2月と、照会を2回やったが、該当するものがなかったので、その後しなかった。以後18年間も、Nさんはこの施設で暮らしていたということです。

なぜ、18年も

 なぜ、18年もわからなかったのか。認知症という病気に対して、しっかりとした対応が18年前はできていなかったのではないでしょうか。最初の2回照会しただけで手がかりなしになってしまった。だから、家族は警察などに届け出をしてひたすら待っているしかなかった。

 認知症という病気は、体は元気の場合が多い。電車などに乗ってかなり遠くまで行ける。しかし、自分のことを話せる状態ではない。何度も、それもかなり遠くの自治体、警察などをたどる必要があります。

年間1万人以上

 認知症が動機で、行方不明になる人が年間10300人いるといいます。これからもっと増えていく可能性があります。警察、自治体、介護関係の連携をもっと濃密にしておく必要があります。

※18年間の施設費を賄っていた生活保護費は、合計で6700万円公費から出ていたということです。これをだれが負担するのか、という問題は残ったまま・・。

 ※東京渋谷区のNさん、今後は家に帰るか、このまま特養に残るか、しばらく様子を見ながら決めていくということでした。


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