「女性手帳」の 考え方 [国政]

5月10日(金)

「生命と女性の手帳」

政府の少子化対策を議論する作業部会「少子化危機突破タスクフォース」(主催・森雅子少子化担当相、座長・佐藤博樹東大学院教授)で議論された「女性手帳」(「生命と女性の手帳」)について波紋が広がっています。

この作業部会は、男性8人、女性7人で構成されている部会です。

手帳には。妊娠、出産の適齢期などが医学的な見地から書かれており、情報として認識してもらうのが目的。その先には「正しい認識」を持てば、いくらかでも晩婚化、晩産化に歯止めがかかり、ひいては少子化対策につながるのではないか、ということで、「女性手帳」について、作業部会では異論は出なかったということです。

この手帳は、高校、大学入学時、成人式、子宮頸ガン予防ワクチン接種時など、ことあるごとに配ることが検討されていて、2014年から導入する予定でした。

なぜ、国がここまで介入?

新聞等によると、違和感が生じているのは、「少子化の原因が女性の意識の持ち方にある。認識次第だ」と言わんばかりに、女性として、女性の出産するリスク・機能の面から、国が「指導」している感が、どうしてもぬぐえないところだというのです。

医学的な見地からは、私も出産に適した年齢はあると思う。実際に高齢出産には思わぬ危険が母子ともに多くなる傾向にある。なるべくリスクの少ない出産をしてもらいたいと思う。不妊治療も40歳を超えるとだんだん効果が出なくなる傾向にある。

だからと言って国が「若いうちに産んだほうがいい。そのためにはこうしたほうが・・・」と結婚年齢、出産年齢まで指図するような(気にさせる)ものを配るのに、反発したい気持ちもわかる。

少子化の裏に高齢化社会

今、4人が1人の高齢者を支えている。これがすぐ3人が1人の高齢者を支える社会になる。だから、早く出産してもらいたい、ささえる方を増やしたい、という国家の危機意識が背景にあるのでしょう。が、一方で、労働力も決定的に不足している。

女性の労働力の導入は間違いなく必要なのに、片や、早く出産したほうがいいですよ、とは(すんなりと)受け入れる気持ちになれないのでしょう。

出産した後、職場に復帰できる人も極めて少ない。復帰が絶望的である以上、できるだけ今の職場にいて、ギリギリのところで退職しようなんて考えていると、数年があっという間に過ぎるということもある。

出産しようと思って周りを見回したら、近くに産科医院がない、探し回る、これでまた出産をためらう・・。

職場復帰の問題、産科医が少ない問題、出産後に預けられる保育園の確保、など当事者にとっては大きな問題、プレッシャーを取り除いてあげないことには少子化対策は解決しない。

「女性手帳」はないよりましなのか、女性にプレッシャーを与えることになりかねない「女性手帳」なるものはいらないのか、なかなか難しい領域ではあるが、「女性の生む機能」だけがクローズアップされるのは、いやな気分をともなう。

アベノミクスに浮かれているうちに、その裏で 「国民はこうあるべき」「女性はこうあるべき」という指導、洗脳がしのびよっているのはいやだ。

国で導入が決まれば、地方自治体は、それを従順にこなすことになる。導入が決まる前に考えることはいっぱいありそうです。


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