金芝河さん、無罪に [その他]

1月8日(火)

金芝河氏39年ぶりに自由の身に

韓国の中央地裁で開かれた再審で、政治犯とされて39年間も拘束されていた金芝河氏が、無罪となったというニュースが流れた。逮捕されてからの39年の長さを思う。

無罪とされた理由は、「犯罪は存在しなかった」という。今更ながら「なんということだ・・・」と言葉もない。

彼が逮捕されたころの韓国は、朴大統領の独裁政権下だった。民主化を求めて運動した人たちは逮捕され、たくさんの死刑判決が下った。内外の抗議が広がり、朴政権もむやみに死刑執行できなかったけど、ずっと自由の身になれなかった。

この39年という長い時間が流れた中で、実にいろいろなことが起こった。

朴政権の独裁に反対し、民主化を訴えた政治家の金大中氏は日本滞在中に拉致され、韓国に連れ戻されるるという「金大中」事件が起こったり、独裁維持のためにいろいろな事件や迫害が続いていた。

一方、独裁者の朴大統領の家族は、独裁に反対する思想・政治団体から狙われ、朴大統領の妻が撃たれ、朴大統領本人も凶弾に倒れた。妻亡き後朴大統領をサポートした娘も顔を切られるなどの攻撃を受けた。

私は、金芝河の投獄、金大中の拉致、が起こったときは埼玉県にいた。20代だった。朴大統領が撃たれたときは大阪にいた。30代前半だった。その後の光州市などにおける学生たちの民主化運動のときは福岡県にいた。30代後半だった。

ニュースを聞いたその時々のシチュエーションがよみがえってくるが、この国(韓国)の民主化はまだまだ遠いと、幾度も暗澹たる気持ちになった。

その後も、豊かになってい行く韓国でも、政治は、汚職や金権で腐敗しているように見えた。

しかし、というか、やっぱりというか歴史は動いているんだなー、と思う。

金芝河氏を釈放したのは、朴大統領の娘

昨年末の韓国大統領選挙で、新しく大統領になったのは、あの≪独裁者≫の娘でした。今は独裁の時代ではありません。独裁者の朴大統領が逮捕し身柄を拘束し続けることになった自由詩人・金芝河氏を解放したのは、(事実上)その娘の朴大統領だった、というのが感慨深い。

金大中氏を殺さなかったのも、国内外の世論であり、金芝河氏が死刑執行されずに39年後に自由を獲得できたのも、内外の世論があったからだと思う。

実は、ここ10年ばかりは、(金芝河氏が、どうしているのか)(生きているのか、もう死んでしまったのか)考えたこともなくなっていた。ニュースが流れなかったからだが。

それにしても、両親を撃たれ、自身もほほに切り傷が残る、朴大統領という新リーダーが、(恩讐のかなたに)政治犯(といっていいのかどうか)を解放する、時間の経過はすごい。

いいニュースでした。


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