PPS「エネット」の学習会 [エネルギー]

12月3日(土)

PPSからみた電力自由化の実態

今日は、国分寺で開催された、「発送電分離プロジェクト(準)」が主催するPPSの学習会に出かけました。

「加納さんは先進的な,内容のいい学習会に行って、情報を得ているね」といわれることがあり、ありがたいのですが、本当のこというと、これにも打率(確率)があって、すっごくいい学習会だったり、そうでもなかったりといろいろです。情報を選んで出かけても、もうすでに知っている内容だったり、参加費が高い割りに得るものが少なく地元の用事をこなしたほうがよっぽどよかった…、だったりです。打率は、まぁ7割でしょうか。

昨日の学習はよかったですよ。私が興味を持っているPPS(特定規模電気事業者)の事業者側からのレクチャーでしたから。ところで、PPSって? これは、power producer supplier 文字通り、電力の生産・供給業者、です。

講師は、PPSでは大手(株)「E」の経営企画部長T氏。「E」は、NTTファシリティーズ、東京ガス、大阪ガスのネットワークによる新価値創造会社として、H12年(つまり最初の電力自由化の時)に誕生した会社だそうです。事業開始はこの翌年です。

多くの場合、こういった新しい会社は、エネルギー供給源とITなどのネットワーク事業だということも分かります。

PPSは47社(11月現在)

PPS事業者は、少しずつ増えて現在全国に47社あるそうです。それぞれ業績を伸ばし株「E」も現在では8,000の契約を持つのだそうですが、今は新たな対応に応えきれてない状態だそうです。3・11原発事故の後、契約数、問合せ共に相当増えているとのこと。

PPSが電力会社より安い理由

PPSは、大手電力会社、小口発電施設などから電気を高く仕入れ、大手電力会社より安く販売しています。なぜそんなことができるのでしょうか? 

素朴な疑問ですが、これは販売管理費の抑制に尽きます。大手の電力会社が人件費、広告費になどに15%かけるとすると、PPS事業者は1%しかかけない。これはもう、(薄利多売)というほかないです。電気というものは、貯めておくことができない以上、余剰電力をうまく活用する必要があります。PPSは、供給者にとっても需要家にとっても「無駄をなくす」うえでなくてはならないものです。

PPSにはクリーンなエネルギーだけ使ってほしい

会場からの質問で「PPSは原発の電気を使わないの? 私は脱原発の考えだから、1ワットも使わないで欲しいものだが」と。私も、ずっとPPSは大手電力会社のように原発に頼らない、しかも安いものと理解していたし、それに近いものは出来ると思っていますが。

だけど、まったくPPSは原発の電気を使わないかといったら、これはゼロではない、と昨日のレクチャーで、「E」の社員が言っていました。

まっ、そうでしょうネ。PPSというのは、あまった電気をかき集める仕組みであるワケで、大手の原発が作った電気も買うこともある。これは仕方ない、と(実は)おもいます。

「E」の若き企画経営部長Tさんも言っていましたが、「なるべくクリーンエネルギーを集めたい。しかし、もう、すでに国民は(国策として)原発に何兆円も投資している。そこで余剰が出た場合、今あるメリットを享受する権利もある。原発の電気とて選択肢の一つとして提供している」と正直に話していました。

そりゃ、そうでしょ、とくに原発の無駄遣い部分-揚水発電(夜あまる電力)などは使わないと無駄になる。買うこともあるのはしょうがない、と私は思う。

地方自治体は「供給力が不安定」と

うちの役場も、わが市の学校も、PPSを使ったら・・と情報を持っている市民が言うと、行政は口をそろえて「PPSは供給力が不安定らしいから」という。

行政のしたり顔は困ったもので、多くの市民は(自分の知識に自信がなくなり)「なるほど、そうなのか」とすごすごと帰ってくることになる。

これは誤認識です。不安定とうことはありえない。電力自由化とは、補い合う事も目的でつくられた国の制度です。不安定にはならない仕組みになっています。それどころか、足らない部分は大手の電力が補うというセイフティーネットです。

PPSの役割

PPSの参入に伴う競争によって、電気料金は(競争入札で)低減され、地球環境、エネルギーの効率化(無駄をなくす)、安定供給の取り組みを促進される。

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草加市の市庁舎は」PPS。久喜市の指定管理者の一つもPPSを使っています。新しいものの研究、そのセンスを持っているかどうか、行政の手腕が今問われています。


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