介護の分野か医療の分野か [生活支援]
1月12日(水)
ほっとけない
友人のXさんは、「わたしもとうとう後期高齢者よ」という70代後半の女性です。障害を持った息子さんと二人暮らし。市民活動、ボランテァ活動などを通して社会問題にも関心をしめす前向きの人です。家事から近所付き合い、活動、学習会とキャパ以上の行動をしてきました。また、周囲も活躍を彼女に期待していました。
その彼女が、昨年あたりからだいぶつらそうです。持病の「脊柱間狭さく症」が悪化しているらしい。歩くだけで胸を圧迫してどんどん前かがみになる。「家事を20分やるとベッドに直行なのよ」という。それに目に見えてやせてきている。
家事がつらい
昨日、他の用事で電話してきた。電話の声が苦しそうだ。息切れがするという。お料理をして横になり、食器を洗って横になり、掃除機をかけて横になりしながら、最小限度の家事をこなしているのだという。近くの郵便局にいくにもタクシーを頼む状態だけど、なかなか人に頼れない。経済的には困ってないので<チョットそこまで>の距離にもすべてタクシーを使うが、こんなこといつまで続けるわけにもいくまい。
地域包括支援センターに相談
役場福祉課内の「地域包括支援センター」に行って相談した。職員2人が心配してくださった。「そんな状態の人なら、こちらでも控えているかもしれない」と把握資料や地域地図を持ってきたが、把握資料には無い。つまり、気丈で社会的活動、ボランテァ活動にいそしんでいた彼女は、要支援者リストなどに載っているわけ無いのだ。
「だけど、そんな状態では大変ですね」と担当。「そう、障害を持った息子さんの保護者ということで、全部家のことは自分でやってきたんです。市民活動も。だけど、今は自分が一番危ない。胸が苦しくなって20分の家事も出来ない。200メートル出かけるのもつらい。家事援助を得るにも、自分でやってきた人に介護認定は下りないでしょ?」
「脊柱間狭さく症」
担当「介護より医療のほうで、認定がでる場合もあります。苦しいのであれば」 私「何でも<脊柱間狭さく症>らしい。それに急激にやせてきたから、他の病気も併発しているのじゃないかと本人(先生も)は言っている」 担当「脊柱間狭さく症じゃー苦しいですね。主治医の診断書をもらったほうがいいですよ」などと話し合って、その場で本人に電話した。「今日かかりつけのお医者さんに予約してある。そこでもっと詳しくわかる大きな病院を紹介してもらうことになっている。あと、春日部の医療生協の診療所にも明日予約してある。それが済んだら・・ね」と。
そう、彼女は「医療生協」の組合員であった。生協組合員として、イベントのたびに血圧を測ったりしてボランテァ活動を頑張った人である。その彼女が自分のことは、人にたよらないでここまでやってきちゃった。
医療の分野か、介護保険の分野か?
医療分野でも、介護分野でも、サポートできる仕組みであれば何でもいい。なまじ「介護保険」を勉強しているもんだから「私の場合なんて、介護認定は「1」も下りないでしょ」なんていう彼女だけど。
昨日の「朝日新聞」だったか、資産家の老姉妹が自宅マンションで餓死したという「無縁社会」を報道していた。お嬢さん育ちだから、ガムシャラに人に頼れない、という人たちも世間にはいる。
彼女は積極的に人と交流している人だから、「無縁社会」ではない。だけど、横浜に住むお嬢さん家族にも頼らないじゃーないか。自分のことは遠慮しているうちに、どんどん体が弱ってきてしまった。
彼女のことを私は「永遠の女学生」と呼ぶ。けなげで、社会的に自立してきた人の思わぬ盲点と弱点がそこにあるような気がする。
「地域包括支援センター」には今日の午後、彼女から電話することになっている。それが無かったら、「こちらから訪問してみますよ」と担当職員は心配してくださった。私は「ぜひ、そうしてください。こちらから働きかけてください」と頼んでおいた。
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