フリースクールの20年 [教育]

5月23日(日)

フリースクールの20周年記念

りんごの木.jpg

本日午後は、フリースクール「越谷らるご」の20周年イベントに出かけました。今日は行きたい案内が重なって、「どうしようか」と迷っていたところ、昨日(スタッフをしている)長女から「おいでよ、パーティー参加費私が払っておくから」と誘われました。ありがと、そういう誘い方、好きです。払ってくれるなら、と、早速行くことにしました。(冗談です)

社会問題となっている、「学校の居心地悪さ」「不登校」「ひきこもり」に、フリースクール、フリースペースがいかに貢献したか、知っているだけにぜひとも参加したいと思っていました。

いじめがきっかけで、病気で欠席がちだったから勉強に不安を感じて、いろいろな理由で不登校になった子供たち。大人社会との関係で、小学生で早くも人生に疲れてしまったナイーブな子供がいる。暗中模索の中、緩やかな時間が流れるフリースペースに「居場所」を見つける子供たちもいます。今日は、その先駆けである「東京シューレ」からも来ていましたが、「らるご」に通う心が壊れてしまった「ウサギちゃん」たちが、豊かな個性を持った大人になっていくのを見てうれしくなりました。

また、10年前は、教育分野でも「余計なもの」という認識しかなかったフリースクールの存在が、多様な人間性の受け入れ場所として、「必要なところ」という共通認識になっているのもうれしい事だと思います。しかも、法整備も着々と進んでいるらしい。

6年ぶりに会った人

「加納さん?」と声をかけてくださる人がいました。どこかで見たことがあるんだけど…。 「Eです」あ~、Eさん。そういえば、Eさんのお子さんが、「らるご」のフリースクールに来ていると長女に聞いたことがあった…。

7年前、Eさんの息子さんは中1になったばかりだった。小学校5年の時、転校をきっかけにE君は不登校になった。昼夜逆転で、夜眠れなくなっていた。まじめなE君は、「学校に行かなくちゃ」と、焦れば焦るほど体が動かなくなった。それからは、どんどん状況が悪くなっていった。いつでも警察がこれるように連携体制をとるほど荒れた。新築の家の中は落書きで汚れた。そんなとき、Eさんと知り合った。

それからのことは省略しますが、3年ほど前から、E君は「らるご」のフリースクール「りんごの木」に来ている。長女は「いい子だよー、Eくん。最高だよ」と言うので「へぇ~ー?!」。

E君は、今、家からも離れて生活している。(両親と離れて生活することは不可欠であったように感じます) 「ウサギちゃんの心」のあの小さな男の子が、7年間ですっかり大きくなって20歳(しかもイケメンになっていた!)、自立を始めています。通信制の高校に通い、映画を作りました(脚本、監督、主演をこなした)。今日は、なんと、みんなの前で「体験」を語った。「親に迷惑をかけた」と言うE君。

E君のお母さんに「すごいよ、親に迷惑かけたって言えるとはすごい」と申し上げました。まだまだ、全部解放された訳じゃないけど、親も子も、緊張の「ウサギちゃん」から少しずつ脱皮しているのは確か。

「学歴が小学校から空白」

履歴書を書く時、「学歴」が小学校から真っ白なんだよね、と明るく笑う卒業生達。でも、みんなすごいよ。森を救おうと思って「森林学科」に入ったという人、人を救おうと思って「消防士」になった人、お菓子作り講座を持つパティシエになった人、長いトンネルを抜けた人間達は、どこか豊かだ。

立食パーティーで、せかせか食べて、早めに帰ってきた。帰り際、長女に「ありがとね」と言って。結婚して今は家にいない長女に会えるのが実はうれしい。心の中で「がんばってるじゃない、君も」と親バカっぽくエールを送った。


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