市町村職員退職手当組合20年度決算 [行政]

全国一負担金が多い埼玉県

最初に申し上げますが、この組合はあくまで埼玉県内の主だった市町村の職員のための退職金を手当てするための一部事務組合です。県職員は、別の「退職金手当て」の方法をとっています。

4年前、退職者の増により、「埼玉県市町村職員退職手当組合」が火の車状態で、年々負担金割合を改定していること、全額税金投入の『負担金割合』は1000分の235、つまり本給の4分の1に迫る負担金を自治体が負担しなければならない現状であること、などを「視点」でお伝えしてきました。もっとわかりやすく言えば、当分は職員削減効果なんて無いということを申し上げてきました。

20年度決算が終わった時期なので、決算資料を取り寄せてみました。       現在では、「埼玉県総合事務組合」の中に統合された「退職手当組合」ですが、巨額を扱うわりには担当者が限られているので、電話をすると、すぐ「あ~、以前資料を請求された加納さんですね」と、すぐ対応してくださいました。

H20年度決算額

全国の決算が載っている一覧表を見ると、各県、取り扱い額、財政状況に相当な違いがあるのがわかります。                                  埼玉県は、さいたま市、戸田市、熊谷市、川越市、川口市など6市がこの組合に入っていないのですが、残り65市町村が構成自治体となっています。で、各自治体が「退職金手当て」のために出している負担金収入は、約395億円と、埼玉県が一番多かったです。 その他、(基金からの繰入金など、利子収入などを合わせると、「埼玉県市町村職員退職手当組合」の歳入合計は、411億円強になりました。

次いで、千葉県、茨城県が、314億円ほどです。4番目が北海道281億円。

東京都は、77億円で、一桁少ないです。それでも都道府県ベストテン内にいるので、いかに関東北部の県が大きな組織になっているかがわかります。            多分、東京都などは、23区は別の退職金制度を取っていると思われ、市町村(島部)だけの事務組合なのでしょう。   

給付費も一番

歳出の方を見ますと、自治体の負担金が一番なら、当然(と言うわけでもないでしょうが)給付金総額(払った退職金)も、埼玉県は一番多かったです。          給付額は、405億5036万円(大雑把にくくるのを許してもらえば、約2000人くらいが退職しているのかな)、ほかに積立金約5億円で、歳出合計411億円強。  歳入歳出差し引き7272万円で、決算を終えています。

ちなみに茨城県は、歳入歳出・差し引き合計額がたったの47万8000円!    取り扱い額が数百億円と言う組合の差し引き残が47万円!と聞くと「えーっ」て感じですが、一方で積立金のほうに15億円入れているので、びっくりすることもないのでしょう。   基金の方が、おそらく心もとないのではないかと推測されます。

特別職の退職金

首長、(元の)助役、(現)副町長、教育長などの特別職の退職金もここから支払われます。                                             首長さんに4年に一度支払われる「退職金」の算定割合が多いのが、昨今問題になります。                                            よく誤解されますが、いかに給料を(条例を作って)カットしても、退職金の方は本給×19.32ヶ月なので、減額の影響は受けないのですよ。

そんな中、カットした本給で退職金も計算して、本当の意味で「退職金カット」を実現したのが、春日部市です。カットする趣旨の条例を策定した際、附則を設けカットした最後の月の額を基本として退職金を算定する旨を付け加えたのです。

その結果、380万円の削減効果

このたび、宮代町、春日部市、越谷市で首長が4年満期を迎えました。       それぞれの首長さんが4年に一度の「退職金」をもらったわけですが、先日調べたら、たしかに春日部市は、条例が効いていました。 すなわち、以下の計算になります。

春日部市長(現職)の本給(月給) 98万5000円(20%カットで)78万8000円  これに19.32ヶ月を乗じて、本来なら1903万200円を⇒1522万4160円の給付。この結果380万6040円の削減となったわけです。                          

給料カットの条例は県内市町村のほとんどのところでやっていますが、退職金を自らカットしたのは、実は、春日部市が初めてなんです。

ついでに、さきごろ勇退した越谷市長は、月給100万3000円をそのまま基本に算定したので、退職金1937万7960円。(3期勤めたので、この金額を3回もらったことになります)

退職なさった前宮代町長も、本給(79万円弱?)を基本に19.32ヶ月をかけたので、減額なしの1520万円くらい支給されたと思います。(4期勤めたので、この金額を4回もらったことになるわけです)                                         さすがに当町の首長さんのことは、聞きづらいので、担当に確認していませんが、そう違ってない金額だと思います。

退職金の問題は、どこの公共団体でも今大きなハードルになっています。     その中で、特別職の退職金は今だに、算定割合の改定がなっていないのが現状です。                                               付け加えますが、県庁職員が市町村に出向してきて副町長など特別職を務める場合、退職金はありません(県に帰れば県職員ですから)。


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